ヒーラーの声

お年寄りの“魂”を見つめて

介護の仕事を通して感じること

No.010

私は、スピリチュアリズムのために働かせていただくことをライフワークとしていますが、その他に生計のために週5日ほど、介護施設の“デイサービス”で働いています。施設には毎日30名ほどのお年寄りが、入浴や食事などのサービスを受けるために通って来ます。その方たちの全員が何らかの病気を持っていて、またその90%以上の人が認知症です。

私には、介護する時にいつも心がけていることがあります。それはお年寄りに対して、身体的・精神的なハンデイを背負った存在として接するだけでなく、一人一人の魂に寄り添うような介護をしたいと思っていることです。そして毎朝、「今日一日、人々のために私を道具としてお使いください」と、神に祈りを捧げてから仕事に就くようにしています。

デイサービスの一日は、本当に多忙を極めています。しかしそうした中にあっても、霊界へ行く日が近いと感じた方には、「どうか守護霊の導きにすべてを委ねて、安らかに旅立ってください」と祈り、病気の苦しさから逃れたくて弱音を吐いている人や認知症の方には、「この病気を通して、霊的成長の道を歩まれますように」と、心の中でそっと語りかけています。

こうして魂に響くようにと願いながら祈りを繰り返していると、霊界の事実をまったく知らない人たちであっても、こちらの思いが通じて、心に良い変化が生じてきます。表情が明るくなり、精神が穏やかになって前向きに生きようとする人もいます。年老いて肉体や脳は衰えていても、魂は真実を求めて、いつでも成長したいと願っていることがよく分かります。そんな人たちの様子をみていると、人間は単なる肉体的・物質的な存在ではなく、「霊的な存在」なのだということに改めて気づくことができます。

これからもヒーリングをしている時と同じように、相手の方の「霊的成長」を第一に願って、お年寄りの魂に寄り添えるような介護をしていきたいと思っています。

(千葉)