ヒーラーの声

最高のボランティアに携わることができる喜び

No.009

それは今から30年前のことです。社会人になって3年目の私は、日々忙しく仕事に追われる中で、「何かもっと人のために働きたい」という思いを抱くようになりました。しかし何をすればいいのかわからず、まず地元のボランティアサークルに入って障害者の支援を始めてみました。身体障害の方の車イスを押して、買い物などのお手伝いをするというものです。

最初に携わったのは、自分と同じ年の23歳の女性です。“脳性マヒ”のために身体を動かすことができない方でした。初めて彼女に会ったときのことは、今でもはっきりと覚えています。“文字盤”で彼女と会話をしたとき、私は大きな衝撃を受けました。

私が「今どんなことに関心があるの?」と尋ねると、彼女は唯一動く人差し指で、ゆっくりと文字盤をなぞって「私は人間に関心があるの」と答えてくれました。その言葉に私がビックリしていると、「人間はおもしろい。人間についていろいろ考えることは楽しい」と、彼女は指先で語ってくれました。顔は無表情ですが、本当に嬉しそうに答えているのがよくわかりました。

私は、彼女とそうした会話ができるとは思っていませんでした。人を見た目で判断してはいけないと知りながら結局、見た目で判断していたのです。当時の私は、まだ“霊的視点”に立って物事を眺めることができませんでした。外見にとらわれずに“魂”を見ることができなかったのです。

私は、彼女との出会いをきっかけに“人間”について、いろいろ考えるようになりました。真理を求めるようになったのです。誰もがこの地上で「魂の成長」にとって必要な体験を積んでいます。重い障害を持って生きることにも意味があります。そうした「霊的事実」を知ったのは、ボランティアに携わって数年してからのことです。私はスピリチュアリズムと出会い、霊的真理を学ぶようになりました。

霊的真理は、人類に“永遠の救い”をもたらします。真理の理解が深まる中で私は、真理普及をライフワークにしていこうと決心しました。スピリチュアリズムと出会い、私は今、最高の人助けに人生を捧げることができています。霊的真理を広めることは、地球上で最も価値あるボランティアです。私は、「人のために働きたい」という純粋な思いに突き動かされ、以前の自分には考えられないような、奉仕の人生を歩ませていただいております。「霊界の道具」に徹して生きることの喜びを、日々の歩みの中で実感しています。これからもスピリチュアル・ヒーリングを通じて、一人でも多くの方に、霊的真理の素晴らしさを伝えていきたいと思っています。

(小川)