ヒーラーの声

常に相手の霊的成長を願って

No.006

私はヒーリングを行うとき、いつも心がけていることがあります。それは「ヒーリングを通して、相手の方が霊的成長できますように」と祈ることです。

以前、直接ヒーリングをした患者さんの中に、ガンが顔に転移し、同情せざるを得ないような容貌をした方や、難病のため若くして身体が動かない方がおり、ご本人たちの辛い思いが伝わってくることがありました。そのとき私は「この患者さんが、肉体の苦しみに押しつぶされることがありませんように。カルマが切れる時期がきているなら病気が癒されますように。ヒーリングをきっかけに霊的成長の道を歩み始めることができますように導いてください」と心の中で祈りました。そして、たとえ患者さんの病気が治らなくても、スピリット・ヒ-リングによって心が変わってほしいと思いました。

こうした思いを抱くのは、遠隔ヒーリングや公開ヒーリングに臨むときも同じです。

私は、患者さんがヒーリングを受けた後の感想を読ませてもらう機会があります。「なぜ自分だけがこんな病気になってしまったのかと思っていましたが、ヒーリングを受け、自分が病気の原因をつくっていたことに気づきました」とか、「病気の症状に変化はありませんが、これからは霊的真理を学び、人のために役に立てるよう生きていきたいと思います」といった嬉しい声が寄せられます。こうした患者さんの心の変化を知ったとき、私はスピリット・ヒーリングの素晴らしさ・奥深さを改めて実感します。

世間一般のヒーリングの多くは、病気を治すことだけを目的としています。患者さんの病気が治らないと、何が何でも治したいとやっきになり、ヒーリングの回数を増やします。ヒーラーが対象とするのは、どこまでも患者さんの肉体の不調や痛みだけです。

しかし、スピリット・ヒーリングに携わる私たちは、それとはまったく次元の違う捉え方をします。スピリット・ヒーリングは「霊界の医者」による治療であり、私たちヒーラーはその「道具」です。スピリット・ヒーリングは、スピリチュアリズム普及の一環として行われている伝道の手段です。病気を治すことより、もっと大切な「霊的事実」を知らせ、魂を目覚めさせるという崇高な目的があることを肝に銘じています。

ヒーリングの結果についても、私たち地上のヒーラーが関わる領域ではないと考え、霊界に委ねています。

私は今まで、本物のヒーリングを一人でも多くの方に知ってほしいと願って奉仕を続けてきました。これからも、霊界の導きによって縁のある方との出会いが持てることを楽しみに、スピリット・ヒーラーとしての道を歩んでいくつもりです。

(谷口)