ヒーラーの声

私が見た有名ヒーラーの実態

No.003

私が、スピリチュアル・ヒーラーとしての歩みを始めてから、すでに25年以上が経ちます。その間、一般のさまざまなヒーラーの方々と触れ合う機会を持ってきました。それを通じて私は、彼らを反面教師として多くの点を学び、同時にスピリチュアル・ヒーリングが、どれほど画期的で素晴らしいものであるかを強く感じるようになりました。このコーナーに体験談を寄せるに際し、印象に残った一人のヒーラーのことを紹介したいと思います。

そのヒーラーは、海外から来日した40代後半の女性で、ニューエイジ界では名を知られ、雑誌にも掲載される人でした。彼女は、人には見えないものが見えるという霊能力を持ち、相手を見て自分の目に映ったスクリーンを通して、いろいろなことを言い当てるということをしていました。ヒーリングでは、自分のエネルギーを相手に注いで治療をしています。

彼女は、ある男性の患者さんに「あなたの背後にタバコを吸っている人がいて、あなたのことを心配しているのが見えるけれど、心当たりはないですか?」と聞きました。男性は「いいえ、親族にタバコを吸う人はいないし、他界した家族の者も吸っていなかったです」と答えました。すると彼女は「そんなはずはない、確かにあなたの親しい人にタバコを吸っていた人がいるはず」と言い張りました。心当たりもなく、おかしいなと首をかしげる男性に対し、彼女は苛立ちを露わにしていました。

そして皆が待ち望んでいたヒーリングの時間になると、参加者が一人ずつ順番に彼女の前に立ちました。彼女は目の前の人に手をかざし、一人1分ほどヒーリングをしました。セッションの最後は、彼女のエネルギーを注ぎ込んだグッズを皆にプレゼントするというものでした。彼女は気合を入れるポーズをした後、「私のエネルギーの入ったグッズは治療効果があるので常に持ち歩くように」と、駄目押しの言葉を口にしました。

私は、彼女の一連の言動を通して愕然とすると同時に、哀れみを感じました。有名ヒーラーと呼ばれるだけで大勢の人を集め、間違ったヒーリングを堂々とやれることに、ニセヒーラーとしての典型的な姿を見ました。そして、これが世間一般の霊能者やヒーラーの実態であることを改めて確認しました。テレビなどに出てくる自称霊能者やメディアを利用して人集めに奔走するヒーラーも、これとほとんど同じようなことをしています。世間に多く見られるニセ霊能者やニセヒーラーは、私たちにとって反面教師です。

それによってスピリチュアリズムで進められているヒーリングが、純粋で無私無欲の奉仕・真の利他愛の実践であることを実感します。そして私は、そうした本物のヒーリングに人生を懸けられることの感謝と喜びで心が一杯になります。

(谷口)