ヒーラーの声

スピリチュアリズムを“占い”と勘違いしている?

No.053

私たちのグループには、しばしば次のような問い合わせがあります。「霊能者に結婚相談をしたら『あなたは○月に、結婚相手と出会える』と言われましたが、霊能者の言うことは本当でしょうか?」「孫が就職活動をしているのですが、面接を受けても落ちてばかりいます。どうか面接に合格して人生がうまくいくよう、孫にヒーリングをしてもらえないでしょうか?」

中には、スピリチュアリズムを“霊”にお伺いを立てて答えをもらうという運命相談と勘違いをしている方もいて、「自分の病気の原因は前世にあるような気がするので、霊視してもらえませんか?」と聞いてきます。(※これには、ニセ霊能者の江原氏がテレビの心霊番組で、出演者のニセの前世と守護霊を指摘したことも影響していると思われます。)

今挙げたのは、スピリチュアリズムを占いや運命相談と勘違いしている方からの問い合わせのほんの一例です。

欧米では“占い”と言えば、一般に西洋占星術が有名です。シルバーバーチの交霊会でも、「占星術をどう思いますか?」という質問が投げかけられています。シルバーバーチはそうした質問に対して、「スピリチュアリズムは占いではありません」と繰り返し述べています。

それと同じように私たちのところにも、スピリチュアリズムを占いと勘違いしている方からの質問が後を絶ちません。そのたびに私たちは、シルバーバーチと同じことを伝えています。

いつの時代も、占いに関心を寄せる人はたくさんいます。占い師にかかれば、大抵いいことを言ってもらえます。多くの人は、「嫌なことや悪い事は起こってほしくない。不幸になりたくない」と思っています。そして占いに頼って、自分の運命を知ろうとします。

しかし、スピリチュアリズムを理解すれば、そういうことは一切必要ないということが分かります。なぜなら、真理にそった正しい生き方が、霊的成長という本当の幸せを自分にもたらすことを知っているからです。その努力の過程で生じる苦しみや困難は、摂理の働きによって生じるものであるため、それを甘んじて受け入れることが最も賢明なあり方だと考えるのです。

シルバーバーチは――「人間は地上に誕生する際、自分の運命の大きな枠組みを自分自身で選択する」と言っています。誕生前に自分が決意した内容は、地上人生のいずれかの時点で必ず起きるようになります。それは、苦しみに耐えてカルマ(前世で犯した摂理違反)を清算し、魂を成長させるためのものです。人生で遭遇する難問は、神の摂理のもとで生じる「カルマ清算の現象」として受け入れ、乗り越える努力をすることがベストの道なのです。

厳しい言い方ですが、占いや運命相談に頼るのは、神の摂理が何も分かっていないところからの発想です。それは霊的に無知であることを示しています。

苦しみを抱えた方から相談を受けるたびに、どのような出来事も「神の摂理」の中で生じるものであり、その原因をつくったのは自分自身であることを分かってほしいと思います。そして苦しみから逃れようとするのではなく、苦しみを甘受し、真理にそって乗り越えようとする努力が大切であることをお話しします。

占いに頼るのは間違っています。自身で原因をつくっておきながら、他の誰かに解決してもらおうというのは虫のいい話です。「自分が蒔いた種は、自分で刈り取る」というのが摂理なのです。人生の難問は、人が代わって解決してくれるわけではありません。

神の摂理に対する信頼があれば、苦しみや困難は神が人間を幸せにするために設けたシステムであることが分かります。摂理にそって歩む努力をしている限り、決して悪い結果は生じません。

私はスピリチュアリストとして、霊的真理の実践を10年、20年と積み重ねてきました。そして、シルバーバーチの教えを深く理解できるようになるにつれ、神と神の摂理に対して揺るぎない信頼を持てるようになりました。辛いこと・苦しいことがあっても、神に委ねる中で心の安らぎを得て、前向きに乗り越えることができるようになりました。

時期がきて『シルバーバーチの霊訓』に出会った方には、実践を通してスピリチュアリズムの霊的真理を深く理解していただきたいと思います。神に委ねて歩む中で、本当の心の安らぎを得ていただきたいと願っています。

(谷口)