ヒーラーの声

シルバーバーチに反して、私は“春”があまり好きではありません

No.042

シルバーバーチは、「この季節は、わたしの心が小踊りして、思わず賛歌を口ずさみたくなる時期です」と言って、それはそれは春を賛美しています。私たちと親交のあるイギリスのトニー・オーツセンも、春が一番好きだと言っています。

私も、以前は春が大好きでした。私が生まれ育った東北では、冬の間、人々は厚手のコートを着て肩をすくめて歩きます。外の景色はほとんどが白色。何もかも雪で覆われ、木も草も、町中がシンと静まり返って、冬が行き過ぎるのをじっと待っています。

そこへ待ちに待った春が訪れると、みんな上着を脱ぎ、軽やかな服装に変わっていきます。小川に張った氷が解け、雪の下でじっと寒さに耐えていた草花が、いっせいに芽を出し始めます。まさに生命の躍動の時です。冬が終わり、春が訪れると一度に気分が変わります。千昌夫の「北国の春」そのものです。ですから、シルバーバーチが春を賛美し、トニーが春を好きだという気持ちがとてもよく分かります。

でも、今は春があまり好きではありません。サークルのみんなも、私と同じように今は春が好きではありません。それは、春になると、黄砂と花粉・PM2.5のトリプルパンチに襲われるからです。朝はのどが痛くなり、外へ出ると目がかすみ、くしゃみが出ます。体はどんよりし、動くのがおっくうになります。昔はこんなことはなかったのに……。大陸から吹いてくる偏西風が恨めしくなります。

昔は、春山に登ると残雪あり、新緑ありで、言葉を失うほど素晴らしい絶景を堪能することができました。しかし今は、花粉や黄砂の影響で遠望もきかず、すっきりとした景色を見ることはできません。いつも、「今回は素晴らしい景色を見られるかしら」と期待をして登るのですが、やはり眺望は今一つです。「ああ~、春を満喫するのは霊界に行くまでお預けなのかしら」と、ついつい思ってしまいます。

(中谷)