勇気を持って、“社会のために役立つ行為”に踏み出してください！

少し前のことになりますが、散策に行った裏山で、近くに住んでいる初老の男性と会いました。男性は、昨年の３月に会社を定年退職し、毎日時間を持て余して時々この辺りの山を歩いているとのことでした。「ボランティアでも奉仕活動でも何でもいいからやりたいと思っているのに、何をしたらいいのか分からない」――そんな話をしてくれました。私は即座に、「積極的にどんどんやってみたらどうでしょうか」と言って、その場を離れました。

大半の人が、忙しく働いている間は、仕事を辞めた後の生活をとても楽しみにしています。しかし、いざそうなってみると「やることがなく退屈でたまらない」という話をよく聞きます。まさに、この男性がそうでした。“人の役に立ちたい”という利他的な思いがあるのに何もしないなんて、本当にもったいないことです。近くに公園があれば、掃除などの美化活動をしてもいいでしょうし、小学生の通学路に立って見守りをすることもいいでしょう。迷う気持ちを振り切って、積極的に踏み出してほしいと思います。

地上に生を享けた以上、どのような人にも、他人や社会の役に立つことをする機会は必ずあります。どんな小さな奉仕であっても、周りの人々に役立つことをしているうちに、それが自分にとってかけがえのない喜びになっていきます。そして「もっともっと人に喜んでもらいたい、人の役に立ちたい」と思うようになり、奉仕活動の範囲が広がっていきます。

もし、私が出会った男性のように、何か人の役に立つことをしたいと考えていても行動に移せないという方がいらっしゃったら、どうか勇気を持って一歩、踏み出してください。リタイアした後の人生が奉仕の歩みとなったなら、大きな喜びと幸せを手にすることができるようになります。そして、それこそが「神の摂理」に一致した人生であり、いずれ始まる霊界での生活を豊かなものにしてくれるはずです。

私は今、ヒーラーとして奉仕の人生を歩んでいます。病気や障害で苦しんでいる方たちのために、スピリット・ヒーリングを通して少しでも自分を役立てることができて、本当に恵まれていると思っています。私は、この世の地位や名誉とは縁がありませんが、奉仕の喜びを知り、奉仕人生を歩むという真の霊的宝を霊界からいただきました。私は、ヒーラーになることができた幸運に、いつも心から感謝しています。

（中谷）