ヒーラーの声

英国大主教“コスモ・ラング”の霊界での後悔

No.051

最近『500に及ぶ、あの世からの現地報告』を改めて読み返しました。この本は、他界したばかりの人々の様子をリアルに伝えてくれる貴重な霊界通信です。登場する霊たちが生きていた当時の雰囲気が手にとるように感じられ、思わず引き込まれてしまいます。

久しぶりに読んでみて印象に残ったのは、英国国教会の大主教であった“コスモ・ラング”からの通信です。コスモ・ラングといえば、20世紀前半のイギリスに君臨したキリスト教の最高指導者で、当時、イギリスで盛んに行われていた「スピリチュアリズムの交霊会」について調査を命じたことは有名です。

その調査報告を受けて彼は、「死後の世界が実在する」ということを認めざるをえなくなりました。しかし、大主教という立場上、その報告を公表しないまま他界してしまいました。『500に及ぶ、あの世からの現地報告』のコスモ・ラングの通信からは、“スピリチュアリズム”や“霊界の存在”を認めていたにもかかわらず、それを公にしなかったことへの強い後悔の思いがひしひしと伝わってきます。

どんな宗教にも、「人々を救済する」という使命があります。コスモ・ラングも、人々の救いを優先しなければならない宗教の指導者でした。しかし、彼にとってスピリチュアリズムを認めることは、自分の地位や名誉を失うかもしれない大きな問題だったのです。さらに、スピリチュアリズムの真理が、キリスト教の教義の根幹を揺るがすものであったために、真実を握りつぶしてしまったのです。コスモ・ラングは、他界して初めてキリスト教の間違いや、スピリチュアリズムが地上人にとってどんなに重要なものであるかということに気づいたのです。

コスモ・ラングと同じことが、現在の宗教界の指導者にも当てはまります。もしも、宗教の指導的な立場にある人が、スピリチュアリズムに出会ってその正当性を直感したなら、それを信者に伝えなければなりません。

スピリチュアリズムの「霊的真理」は、地球人類を救済するために霊界から地上にもたらされたものです。その真理を手にした人は誰であっても、真理を伝えることが“使命”となります。“コスモ・ラング”のように、死後に大きな後悔をすることがないように、宗教界の指導者の方たちには勇気を持ってほしいと願っています。

スピリチュアリストの皆さんも、ぜひもう一度『500に及ぶ、あの世からの現地報告』を読んでみてください。読むたびに、霊界の事実をありありと実感することができるはずです。

(清水)