ヒーラーの声

“ニセ霊能者・ニセヒーラー”から身を守るのは霊的真理だけ

No.049

私には、どうしても忘れられない出来事があります。その出来事を思い出すたびに、悲しみがこみ上げてきます。二度とこうしたことが起こってほしくない、という思いで一杯になります。

その出来事とは、昨年11月に栃木県で起こった祈祷師による殺人事件です。皆さんも覚えていらっしゃるかもしれませんが、60歳の自称祈祷師の男が「腹の中に死神がいる」と言ってⅠ型糖尿病の治療中だった小学2年の男の子の両親をだまし、死の危険があったにもかかわらずインシュリン投与を止めさせ、子供を死なせてしまったという事件です。それだけでなく男は、数百万円の治療費を亡くなった子供の両親から受け取っていました。

私はこの事件を知ったとき、子供を思う親の弱みに付け込んだ悪質な犯罪に怒りがわき上がってきました。そして、祈祷師の言うことを信じて死んでいった男の子が可哀想でなりませんでした。と、同時に、こんなウソの話を信じ込んだ親の霊的無知さにも呆れました。

こうした事件が繰り返されるたびに私は、「霊的真理を知ってさえいれば……」と残念に思います。男の子の両親が当たり前の霊的真理を知っていたなら、こんな馬鹿げた事件は起こらなかったはずです。霊能者や祈祷師が「死神がとり憑いている」と言っても、そんなウソには引っかからなかったはずです。

世の中の大半の人々は、霊的真理を知らないために、自分の力では解決できない問題が生じると霊能者や治療師を頼るようになります。そしてニセ霊能者やニセヒーラーの巧妙な手口にだまされ、大金を巻き上げられています。しばらく前にテレビで話題になった「オーラの泉」も同じです。江原氏は、タレントの前世について、口から出まかせの作り話を言って視聴者をだます一方で、言葉巧みにスピリチュアリズムの「霊的真理」を語って二重に人々をだまし続けました。霊的真理を知っていれば、江原氏が軽々しく指摘するタレントの前世が全くのウソであることは誰にでも判断できます。

残念なことに、私たちが住む地上世界には、詐欺師同然のニセ霊能者やニセヒーラーがあふれています。そして大衆の無知に付け込んだ“人だまし・不正”が堂々と行われています。霊能者やヒーラーを自称する人間の90パーセント以上は“ニセモノ”です。こうした人間にだまされないために、また身近な人や家族を守るためにも、霊的真理の理解は欠かすことはできません。

私たちヒーラーは、一人でも多くの方が真理に導かれてほしいと願いながら、ヒーリングを行っています。ヒーリングがきっかけとなって、スピリチュアリズムの「霊的真理」に目覚め、ニセモノにだまされないようになってほしいと願っています。

(柳辺)