ヒーラーの声

世の中に、苦労のない人は一人もいない!辛い体験は地上人の宿命!

No.062

世の中には、「なぜ自分だけ、こんなに不幸なんだろう」「なぜ自分だけに、次から次へと苦労が耐えないのか」と言う人がいます。ヒーラーとして歩んでいると、しばしばこうした愚痴をこぼす人と出会います。

そうした人の多くが、自分だけが不幸で、周りの人は皆幸せのように思っています。そして苦しみさえなくなれば、自分は幸せになれると思っています。

でも、それはすべて錯覚です。とかく辛い体験をしている人は、自分は不幸で周りの人は苦労のない幸せな人と思ってしまうものです。もし私がスピリチュアリズムと出会うことなく、『シルバーバーチの霊訓』も知らなかったなら、おそらくそうした人と同じ考え方をしていたことでしょう。

シルバーバーチの次のような言葉が、私の心に強く刻み込まれています。「痛みも苦しみもない人生、辛苦も悲哀もない人生、常に日向を歩き、日陰というものがない人生を送る人は、地上には一人もいません。少なくとも私はそういう人を知りません」という言葉です。

シルバーバーチは、地上には苦しみや苦労のない人は一人もいないと、はっきりと述べています。世の中の大半の人は、苦しみや苦労のある人は不幸で、苦しみや苦労のない人は幸せだと簡単に割り切って考えています。そして人間には、生まれながらにして苦しみを抱えた不幸な人と、苦しみのない幸福な人がいると思っています。

しかしシルバーバーチは、そうした地上人の常識は霊的に見ると、すべて間違いであると断言します。

シルバーバーチの言葉によって今、私は周りの人を「一見幸せそうに見えても、誰もが心の中に苦しみを持っているのだ。表からでは分からないけれど、どんな人でも皆、苦しみを抱えながら必死になって歩んでいるのだ」というように見ることができます。地上は、苦しみの体験を通して霊的成長をする場所として造られています。それが、神の摂理なのです。

「世の中には、苦しみのない人は一人もいない。一見幸せそうに見えても、すべての人が何らかの苦しみや苦労を持っている」そう思うことで、周りの人々を霊的な広い視野から眺めることができます。すべての地上人が“神の分霊”を宿した神の霊的子供です。その神の子供が、霊的成長のために例外なく、内面にさまざまな苦しみを抱えて必死になって歩んでいると思うと、私の心に愛しさが込み上げてきます。

(岩田)