ヒーラーの声
ヒーラーに必要な謙虚さと、他人からの厳しいアドバイス
No.026/
スピリチュアリズムでは、人生の目的は「霊的成長」にあると断言しています。私たち人間は、霊的成長をするためにこの地上に生まれてきているということです。私は、スピリチュアリズムと出会い、霊的成長こそが最も重要であるという事実を知ったとき、本当に救われた思いがしました。そしてスピリチュアリズムこそが本物の真理であると確信し、これまでスピリチュアリストとして、またヒーラーとして霊的成長をしたいと願い、精いっぱい歩んできました。
私は今、霊的成長の仕方には2通りあると考えています。1つは「霊的真理に自分自身をそわせていくこと」です。霊的真理を人生の指針として、また日々の教訓として、自らを厳しく従わせていくということです。これがヒーラーとして成長するための一番の鉄則だと思います。
ところが世の中の大半のヒーラーたちは、霊的真理を知らずにヒーリングに携わっています。霊的成長という大きな目標が分からないために、ヒーリングをお金儲けの手段にしています。真理を知っている私は、そうした人たちを見るたびに、本当に気の毒だと感じています。
もう1つの霊的成長の道は、「自分の欠点を周りの人から厳しく指摘してもらうこと」です。人間は、自分の持っている欠点や癖を自覚し、それを直していくことはなかなかできません。そのため自分では正しいと思っていることが、的外れであったり、間違っていることがよくあります。
他人から間違いを指摘されるのは、誰にとってもあまり気持ちのよいことではありませんが、人間として成長するためには、とても重要なことなのです。
今の若い人たちは、周りの人間から注意されることがほとんどありません。本来は躾(しつけ)や指導を受けるべき家庭や学校で、厳しく注意されることがなくなっています。親も先生も、子供から嫌われるのをいやがって注意しないため、多くの欠点を抱えた未熟な状態のままで大人になっています。職場においても同様です。上司は部下の若者に、厳しく接することができなくなっています。
そうした風潮の中で、人間としての最低限のマナーや、社会人としての基本を身につけていない若者が大勢います。もっとも最近では、小・中学生にも劣る我ままな老人が増えていることも事実ですが……。このような人々は霊的成長の道を歩むことはできません。
私はこれまで30年以上、スピリチュアリストとして歩んできました。振り返ってみると、自分の欠点を厳しく指摘してくれる人の存在は、霊的成長のためには絶対に欠かせないものでした。ヒーラーとしての修業というと、滝行や断食といった肉体行を思い浮かべる人が多いと思いますが、本当の修業とはそうしたものではありません。常に心を霊主肉従の状態に保ち、自分の足りなさを乗り越える努力をすることが、良きヒーラーになるための条件なのです。
私たちヒーラーはこれまで、お互いに切磋琢磨する中で霊的成長をしてきました。マナーや良識を欠くような言動、また真理からズレていると思われることがあったときには、それを率直に指摘し合う努力を続けてきました。全員が、ともに奉仕の道を歩む仲間の忠告・助言を謙虚に受け止めるように努めてきました。
すでにヒーラーとして歩んでいる方、またこれからヒーラーになりたいと思っている方は、自分の欠点や間違いを指摘してくれる人がいるような環境に、ぜひ身を置いていただきたいと思います。他人から厳しい指摘を受けないかぎり、ヒーラーとして成長することはできません。
霊的真理を正しく理解した、人間性と霊性に優れた人からの忠告・助言は、まさに高級霊の指導を受けるのと同じことです。本物のヒーラーを目指すなら、そうした真理に立った他者からのアドバイスを謙虚に受け止め、自分のあり方を正していくことが必要です。それこそが、スピリチュアルヒーラーとして成長していくための道であると確信しています。
(杉野)