(2)スピリチュアル・ヒーリングは本来、無償の奉仕活動であるべき

シルバーバーチ霊は、地上の霊能者やヒーラーに向けて、次のような厳しい言葉を投げかけています。

「霊的能力をお持ちの方に“人のため(サービス)”の精神がどれほど行きわたっているでしょうか。ご自分の仕事の神聖さを自覚し、畏敬の念を持って携わっている人がどれほどいらっしゃるでしょう。少しはいらっしゃるようですが、悲しいかな、大半の人がそうではないようです。」

『霊的新時代の到来』(スピリチュアリズム普及会)p.188

スピリチュアル・ヒーリングは無償の奉仕

あるヒーラーが本物なのか、あるいはニセモノなのかを判別するのは、それほど難しいことではありません。ヒーラーの金銭に対する現実の姿勢と行為を観察するだけで、誰もが簡単に判断することができます。

本物のスピリチュアル・ヒーラーなら、自分の方から治療費を要求することはありません。スピリチュアル・ヒーリングは本来、「無償の奉仕」として行われるべきものだからです。スピリチュアル・ヒーリングは、やむにやまれぬ献身的精神から、ヒーラーが自発的に行う無償の奉仕でなければなりません。ヒーラーは報酬目当てではなく、「無償の奉仕・純粋な人助け」としてヒーリングに携わらなければならないのです。

スピリチュアル・ヒーリングを金儲けに利用しようとする大半のヒーラーたち

現在、ヒーラーとして活動している大半の人間が“金儲け”のためにヒーリングを始めています。スピリチュアル・ヒーラーを自称する人間の多くが、スピリチュアル・ヒーリングは他の治療法よりも金儲けになると見込んで、意図的にこれを利用しようとしています。そうしたヒーラーたちが、無償の奉仕としてヒーリングをすることなどあり得ません。

彼らはスピリチュアル・ヒーラーを名乗る一方で、高額の治療費やセミナー料を要求し、開運グッズ・魔よけグッズなどといったものを売りつけています。私利私欲からスピリチュアル・ヒーリングの看板を掲げる者が、「霊医の道具」となることはできません。こうしたヒーラーは、口先でどんなに立派なことを言っても、本物のスピリチュアル・ヒーラーにはなれません。

スピリチュアル・ヒーラーには、「利他愛」と「自己犠牲」と「無償の奉仕性」という高尚な精神が要求されます。本物のスピリチュアル・ヒーラーになるためには、高い倫理的ハードルを越えなければならないのです。

金銭を受け取らなくても、スピリチュアル・ヒーリングはできる

「スピリチュアル・ヒーリングは、無償の奉仕活動・純粋なボランティア活動として行うべきである」と言うと、必ず反論する人間が現れます。その多くが、すでにヒーラーとしてヒーリングに携わっている者たちです。彼らは決まって次のように言います。「ヒーラーも人間である以上、生計を立てるにはお金が要る。だから報酬を受け取るのは当然のことだ」「治療費を払ってこそ、患者は真剣に臨むようになる。お金をもらった方が、むしろ良い結果がもたらされる」と。

しかしこうした言い分は、スピリチュアル・ヒーリングの本質を知らない人間の屁理屈にすぎません。報酬を受け取らなくてもヒーラーとしてやっていけることは、すでに多くの人間によって実証済みです。誠意と熱意さえあれば、ヒーリングのための時間はどれだけでも捻出できます。「家族を養うために生活費を稼がなければならない」と言うのなら、ヒーリングは仕事の休みの日にボランティア活動としてやればいいのです。また、患者が治療費を払わないからといって、良い結果が得られないというようなことはありません。無償のヒーリングを通して奇跡的治癒は、いくらでも起こっています。

純粋な利他的精神・奉仕精神があれば、最低限の生活は霊界によって保障されるようになっています。もちろん有り余るほどのお金は与えられませんが、質素な生活を送るのに十分なものは、霊界からもたらされるようになります。利他愛に徹した生き方をする人間は、霊界の援助のもとで決して飢えるようなことはありません。

大金を要求するヒーラーは、すべてニセモノ

治療費として1回に何万円ものお金を要求したり、ヒーラーの養成を謳って何十万円もの講習費(セミナー料)を取るような人間は、自ら“ニセモノ”であることを証明しています。そうしたヒーラーに、霊界の人々が協力するはずはありません。口先でどれだけ道徳的で立派なことを語り、スピリチュアリズムについて論じても、霊界の援助は一切得られません。“低級霊の餌食”になるのが関の山です。

金儲けのためにヒーリングを始めたヒーラー、高額の治療費や講習費を要求するヒーラー、開運グッズ・魔よけグッズを売りつけるようなヒーラーは、すべて“ニセモノ”と断定して間違いありません。金儲けから出発したヒーラー、金儲けを優先するヒーラーは、本物のスピリチュアル・ヒーラーではありません。ヒーリングを利用した詐欺師・ペテン師なのです。

「お金を取らなければヒーリングはできない」と言う者は、スピリチュアル・ヒーリングに携わる資格はありません。ヒーラーをやめた方が自分自身のためです。自分の魂を汚す前に、身を退いた方がいいのです。そうした人間がヒーラーをやめたからといって、霊界の人々は何も困りませんし、スピリチュアリズムにとって何ひとつ損失にはなりません。

もし、自分がニセ・ヒーラーとして人々を騙してきたことに良心呵責を感じるなら、生計の問題や世間体を気にすることなく、ヒーラーとしての歩みをやめるべきです。もし、仲間を募って組織的に悪事を働いてきたなら、ただちに解散すべきです。不正を重ねて人々を騙し続けることの罪深さを考えて、即刻やめることです。死後、霊界において“地獄の苦しみ”を味わうようになる前に、急いでやり直すのです。ヒーラーであろうとするより、まともな人間として誠実に人生を歩み直さなければなりません。

スピリチュアル・ヒーリングは“神聖な仕事”

純粋な奉仕精神からヒーリングを始めた人間には、報酬への期待は一切ありません。それこそが本来、スピリチュアル・ヒーラーが持つべき姿勢です。ヒーラーにこうした無私の精神があるとき、霊界からの援助を受けて「本物のスピリット・ヒーリング」が成立するようになるのです。霊界の道具として携わるスピリット・ヒーリングは、地上世界における最も崇高で神聖な仕事の一つと言えます。

シルバーバーチは、次のように述べています。

「霊媒能力は神聖なものです。いい加減な気持ちで携わってはならない仕事なのです。ところが不幸にして、大半といってよい霊媒が自分の能力を神聖なものとは自覚せず、苦しむ者、弱き者、困り果てている人たちのために、営利を度外視してわが身を犠牲にするというところまで行っておりません。」

『霊的新時代の到来』(スピリチュアリズム普及会)p.291

現在、スピリチュアル・ヒーラーを自称している方にお尋ねします。これまでの皆さん方の行為は、本当に神聖なものだったでしょうか。シルバーバーチが言うように、授かった治療能力霊媒能力の一種)を神聖なものであると自覚し、霊界の道具として無私の精神に徹して治療に臨んできたでしょうか。営利を度外視して、困っている人々のためにヒーリングを行ってきたでしょうか。それとも法外な治療費を当たり前のように要求してきたでしょうか。

皆さんが“本物のスピリチュアル・ヒーラー”であったかどうかは、これまでの現実の行為が示しています。