ヒーラーの声
ヒーリング中の“霊的体験”と“霊的感覚”
No.087/
日本スピリチュアル・ヒーラーグループでは、年に2回「公開ヒーリング」を行っています。そこでヒーラーとしての役目を与えられている私は、よく参加者の皆さんから次のような質問を受けます。「ヒーリングをしている最中は、どのような体験をしますか?」「ヒーリングに臨む際には、どのような準備をしますか?」といった質問です。
私は、ヒーラーとしての役目につく前には必ず“2つの祈り”をするようにしています。1つは「ヒーリングを通して、患者さんが霊的に目覚め、スピリチュアリズムと深い関わりを持つことができますように」、もう1つは「私を霊界の道具として用いて、治療エネルギーを通過させてください。私を治療エネルギーの通過体として清め、高めてください」というものです。
この2つのシンプルな祈りが、私にとってヒーリングに臨む際の準備になります。
日常生活を送る中では、しばしば“低級霊・未熟霊”が接触しようとしてきます。そうしたとき、ふと心が乱されるようなことがありますが、そのたびに自分は霊界の道具であることを確認し、素早く心の乱れを取り除き、心を安定させます。
ヒーラーは霊的世界との接触が多い分、こうした低級霊との“霊的戦い”は避けられませんが、日常生活において「霊的コントロール」をどの程度まで徹底しているかによって、低級霊への対処能力が決まります。
他のヒーラーに聞くと、私と同じように常に霊的コントロールの戦いを心がけていることが分かります。
スピリチュアル・ヒーラーにとって、「自分が病気を治すのだ」といった思い上がりは最大の敵です。私情をいかに完璧に取り除くかが、常に問われています。私はこれまでの歩みから、そうした「霊的コントロールの努力」こそがヒーラーとしての基礎を固め、霊的レベルを決定するようになることを確信しています。
公開ヒーリングの場でヒーリングが始まると、私は霊医が自分を通して治療エネルギーを患者さんに与えているイメージを描きます。するとほとんどの場合、その瞬間から“霊的反応”が起こります。手が震えたり、身体が熱くなったり、エネルギーの塊(かたまり)に包まれるような感覚が生じます。一時的に霊視能力が開け、多くの霊たちが集まっている光景が見えることもあります。
患者さんの身体に手を当て、治療エネルギー(霊的エネルギー)を流し続けているうちに、意識が深いところに吸い込まれるような状態になることもあります。とても心地よい感覚に包まれ、身体の感覚が遠のき、自分の身体が消滅したように感じられることもあります。同時に患者さんの身体も消え、霊体とオーラだけが映るようになります。自分と患者さんが一体となって、融合するような感覚を覚えることもあります。
今では、こうした“霊的感覚”を「遠隔ヒーリング」をする際にも素早く持つことができるようになりました。その時、霊的エネルギーは確実に患者さんに届けられ、遠隔ヒーリングは一瞬にして成立します。わずか数秒ほどで、完璧な遠隔ヒーリングが達成されます。
公開ヒーリングでは、「直接ヒーリング」の時間が終わると意識を通常のレベルに戻して、目の前の患者さんと言葉を交わしますが、たいていの場合、患者さんはこれまで体験したことのない感覚を味わって感動し、涙を流しています。
ヒーリングに携わるようになった初期には、深い霊的意識状態に入るのに一定の時間がかかっていましたが、ヒーラーとして長く歩んでくる中で、今では短時間で、時には目をつぶるだけで、瞬時に深い霊的意識状態に入ることができるようになっています。
ただし、日常的なことが頭にこびりついていたり、地上的意識や心配事にとらわれていると、深い霊的意識状態に入ることは困難になります。そうした時は、シルバーバーチの「地上のことで思い悩むことなどない」という言葉を思い起こし、雑念を振り払い、心を高めるようにしています。
スピリチュアル・ヒーリング(スピリット・ヒーリング)では、時空を超えたところで治療が展開します。ヒーラーが高い霊的意識を持っていれば、ヒーリングは一瞬にして成立します。高い霊的意識を持てないヒーラーは、いくら時間をかけても治療能力を発揮することはできません。
ハリー・エドワーズは、1日に何十人~何百人もの患者を治療したそうですが、私にとってそれは決して難しいことではないように思われます。ハリー・エドワーズの霊的意識の高さが、そうした奇跡的治療を可能にしたのだと考えています。
ヒーラー・グループの他のメンバーに聞いてみると、皆、私と同じような霊的プロセスを経て現在に至っていることが分かります。「本物のスピリット・ヒーラー」になるためには“治療能力”だけでなく、霊的コントロールによって引き上げられた「霊性」が、とても大切であることをつくづく感じます。
一緒にヒーリング奉仕をしているヒーラーは皆、外部のヒーラーと比べ、本当に謙虚です。その謙虚さは、常に「霊の道具」に徹しようとする信仰心から生まれたものです。そうしたヒーラーグループの一員として歩めることは、私にとって大きな喜びであり、誇りです。
これからも、より良き霊の道具を目指してヒーリング奉仕に携わっていきたいと願っています。
(岩田)