ヒーラーの声

とうとう買った“らくらくスマホ”

まったく役に立たず!

No.086

スピリチュアリズム普及会の中には、かなり変わった人がいます。変わっているというより“時代遅れ”、あるいは“時代に取り残されてしまった人”と言ったほうが正確かもしれません。

メンバーのご主人、この人もスピリチュアリストですが、つい最近までケータイもスマホも持っていませんでした。私たちがいくら持つように勧めても、耳を貸しません。「皆が不便で困るから、ぜひケータイを持ってください」と言っても、いっこうに持つそぶりを見せません。「もっと技術が進歩して簡単になったら、そのとき考えよう」などと言います。

一人で山に行くときは、奥さんのケータイを借りて、毎回かけ方を確認して出かけます。そして頂上から「今、着いたぞ~」――これでは生きている間にケータイを持つことはとても無理だろう、と誰もがそう思っていました。

ところが何と、そのご主人が突然、ケータイを超えて“スマホ”を買ってしまったのです。これには皆、驚きのどよめき。本人は自慢げに――「らくらくスマホを買ったぞ。これからは皆に迷惑をかけることもなくなる」と見せびらかします。皆、いっせいに「番号を教えて」と言ったところ――「もう少し慣れるまで待ってくれ。そのときは教えるから」と。

その後、すでに何か月も経ちますが、いっこうに番号を教えてくれません。奥さん(メンバー)に聞くと、買ったスマホは奥さんの机の上に置いたまま、一回も使うことなく、ほこりをかぶっているとのこと。仕方なく奥さんが時々、充電しているそうです。一回も使わないうちに、また次の充電です。

ご主人いわく――「新しいことを覚えるのは、気力と根性がいるなあ~」。そこで奥さんが、「あなたより根性のない小学生も中学生も皆、上手に使っているわ」と言うと――「作家の曽野綾子さんも持っていないというから、俺と同じじゃないか。文才のある人間はこんな機械は嫌いじゃないのか?」――もう何も言うことはありません。スマホが可愛そうです!

(杉野)