ヒーラーの声

早く“自動運転”が実現してほしい!

No.084

つい10年前まで、私は“自動運転”などといったものはSF小説の中の話か、遠い未来に実現する夢のような出来事だと思っていました。しかし、グーグルが自動運転の実験を始めてから世界中で自動運転の競争が起こり、このままいけば近いうちに本当に実現するようになるかもしれないと思うようになりました。

今や自動運転は、近い将来における実現可能な出来事に変わりました。これは運転の下手な私にとって朗報です。ひょっとして自動運転どころか、空中を飛ぶ自動車も実現するのではないかと期待してしまいます。

政府や自治体は、高齢者の運転免許証の自主返納をさかんに呼びかけています。そんな中、私もそろそろ免許証を返すことを真剣に考えなくては、と思っていました。最近では、認知症や視覚異常の老人による事故が増加しています。私も、いつまでも今の若さ(?)を保つことはできませんから……。

ところで私には、運転に関係したとても印象的で忘れられない出来事があります。それは次のような話です。数年前、浜松市内の東名高速道路で停止していた一人の老人が警察に逮捕されました。そのおじいさんは、富山から自動車を運転して日本列島を横断し、浜松まで来たのです。実はそのおじいさんは認知症が進んでいたため、家族が車のキーを隠していたのですが、それを探し出して勝手に車を運転してはるばる浜松まで来たということです。

それにしても富山から日本列島を横断して、道を間違えずに、一応は信号を守って浜松まで来たとは驚きです。「高速道路のど真ん中で停止している車がある」との通報に、駆けつけた警察官。その警察官に対しておじいさんは、「わし、どこへ行くのかね」と質問したとか。これには警察官もびっくり仰天。幸い事故を起こさないうちにガス欠で停止。無事、身柄を確保されました。

なぜ、このおじいさんの話が忘れられないのかと言えば、私も歳をとったら同じようなことを仕出かしそうだからです。実は私はこれまで二度ほど、運転ミスで他所(よそ)の家の生け垣と田んぼに突っ込んだことがあるからです。

こうしたことを考えて、免許は早いうちに返納しようと思っていましたが、最近になってその考えが変わってきました。それは“自動運転”が実現したら、体が少々不自由になっても車に乗ることができるのではないか、と考えるようになったからです。「ああよかった、先走って免許証を返さなくて」。でも、私が生きているうちは自動運転の車は高価で、とても買えそうにありません。

スピリチュアリズム普及会のメンバーの中には、よく“自損事故”を起こす人がいます。車が新しくなったと思って見ていたら、ちょっと恥ずかしそうに笑って彼女いわく、「また事故をしちゃって、夫に怒鳴られたわ」と。

今、彼女は自動停止する車に乗っていますから、目の前に障害物が現れても安心です。車は急停止してくれます。でも、障害物がなくて向こう側が崖だったら、果たして車は止まってくれるでしょうか。もしかして彼女は、センターから家に帰る途中、カーブを切り損ねて崖から落ち、そのまま浜名湖に飛び込んでしまうかもしれません。そう思うと、心配は拭い切れません。自動停止ではなく自動運転になれば、彼女も安全に家に帰れるようになり、私の心配事も一つ消えますが、彼女も私と同じで高価な車を買うほど裕福ではありません。どうしたらいいのでしょうか。私には分かりません。

高速道路を走っていると、しばしば“スマホ”をしながら大型トラックを運転している人を見かけます。酔っ払い運転と同様、ちょっとしたことで大事故です。そうした車には近づかないようにしていますが、こちらがどれだけ安全運転を心がけていても限界があります。もっと厳しく取り締まり、“飲酒運転”並みに即免停、罰金20万にすべきです。そうすればアッという間に“ながらスマホ”は減少するはずです。

運送業界は大変です。人手が不足し、休みなしに無理に車を走らせることになっています。運転手にはストレスがたまり、それを解消するために飲酒で発散という悪循環に陥ってしまいます。

でも、トラックが自動運転化されたら、人手不足の問題も、飲酒運転やスマホの問題も、すべて解決します。早く自動運転化が進んでほしいと思います。

ところで私の運転はというと、お世辞にも上手とは言えません。はっきり言って、とても下手くそです。夫が同乗するといつも、「もっと速く走ってくれ」と言われます。私としては法定速度を守って安全運転をしているつもりです。模範的なドライバーだと思っています。けれど、夫の声でバックミラー見ると、後ろに車が数珠つなぎ。すぐ後ろの運転手のイライラしている様子が見えます。あおり運転をしようと身構えているようです。スピードメーターを見ると時速35キロ。でも、私の感覚では時速50キロを超えています。

「ああ、老化したなあ~、 小さな安全・大きな迷惑」――やはり自動運転に頼るしかありません。

(柳辺)