(1)スピリチュアル・ヒーリングの「治療領域理論」

同じヒーラーから治療を受けても、治療結果は人によってさまざま

ヒーリングの結果は、やってみなければ分からない

スピリット・ヒーリングは、あらゆるスピリチュアル・ヒーリングの中で最強の治療法と言えますが、そのスピリット・ヒーリングでも、治療結果はやってみなければ分かりません。治療を始める前に、どこまで治療効果をあげることができるかは、誰にも判断がつかないのです。これはスピリット・ヒーリングだけでなく、スピリチュアル・ヒーリング全般に当てはまることです。さらにはスピリチュアル・ヒーリング以外の、すべての治療法にも言えることなのです。実はここに「治療に関する真理(法則)」が存在します。

また、同じヒーラー(治療師)から治療を受けても、患者によって治療結果が異なるという現実もあります。特にスピリチュアル・ヒーリングのような心霊的な治療法では、治療結果は個人差が大きくなります。スピリット・ヒーリングにおいても、同様です。同じヒーラーから治療を受けても、治療結果は人によってさまざまです。

ある人は、スピリット・ヒーリングによって何十年も苦しみ続けてきた病気が奇跡的に治癒します。そうかと思えば、同じヒーラーの治療を受けても、全く変化が現れない人もいます。当然、奇跡的治癒を期待していた患者は、がっかりすることになります。完治ではないけれど、部分的に治癒したり、両手にあった麻痺が片方だけ治癒するといったようなことも起こります。

こうした現実が多くの患者に戸惑いと混乱を与えることになりますが、これこそが治療における真実であり、そこに「治療(治癒)に関する真理」があるのです。病気の発症と治癒は、絶対的な「神の摂理」によって支配されているため、スピリット・ヒーリングにおいても実際にどの程度まで治るかは、やってみなければ分かりません。スピリット・ヒーリングでは必ず、何らかのプラスの効果がもたらされますが、それが具体的にどの程度まで、あるいはどのような形で現れるかは誰にも分からないのです。どんなに優れたヒーラーであっても、霊界から治療を進める霊医たちでさえも分からないのです。

したがって、もしあるヒーラーが「自分のスピリチュアル・ヒーリングでは、どんな病気も完全に治すことができる」と自慢するなら、そのヒーラーは全く信用できない人間ということになります。金儲けのために誇大宣伝をして患者を集めようとする“ニセ・ヒーラー”であると断言できます。世の中には、こうしたウソの治療結果をPRして人々を騙し、大金をしぼり取ろうとする人間が大勢いるのです。ニセ・ヒーラーは、あと何回か治療をすれば効果が現れるようになるなどと言って、病気で苦しむ患者を騙し続けます。

どうして患者によって“治療結果”が異なるのか

患者の治療エネルギーの受容性が決め手

同じヒーラーの治療を受けても患者によって結果が異なるということは、“治療結果”を左右する原因がヒーラー(治療師)サイドにあるのではなく、患者サイドにあるということを意味しています。

患者は、病気を治してもらいたい一心でヒーラーのもとに足を運びます。少しでも良い結果を期待して有名なヒーラーに頼り、高い交通費も厭わず遠方から出向くことになります。名の知れたヒーラーにかかろうとすれば、予約待ちでなかなか順番が回ってこないこともあります。待ちに待って、やっとヒーリングを受けるチャンスが訪れます。

患者は「これでようやく病気から解放される」と思い、期待に胸をふくらませますが、治療を受けても病気はいっこうに良くなりません。そこで気を取り直して、別のヒーラーを探し求めることになります。こうしたヒーラー探し・ヒーラーめぐりの話を、しばしば耳にします。

実は有名なヒーラーの治療を受けても良くならなかったのは、ヒーラーの治療能力の問題ではなく、患者自身に原因があったのです。同じヒーラーから治療を受けても、治る人もいれば治らない人もいるのは、ヒーラーの責任ではなく患者サイドに責任(原因)があるということなのです。

スピリチュアル・ヒーリングの治療結果を左右する患者サイドの原因とは――「治療エネルギーの受容性」のことです。ヒーラーの“治療エネルギー”を受け入れられる患者は病気が癒されることになりますが、治療エネルギーを受け入れられない患者の場合には、どんなにヒーラーがエネルギーを注いでも良い結果は得られません。治療効果を決定するのは多くの場合、ヒーラーの治療能力ではなく、患者自身の治療エネルギーの受容性なのです。

「治療エネルギーの受容性」を決定する要因

さまざまな次元の「カルマ」

患者に治療エネルギーの受容性がある場合には、治療エネルギーが効果を発揮して病気は癒されることになります。しかし患者に受容性がなければ、病気は治癒しません。ではこの「治療エネルギーの受容性」は、どのようにして決定されるのでしょうか。人によって受容性が異なるのは、なぜでしょうか。実はそれを決定するのが、すでに説明してきた「カルマ」なのです。

「カルマ」とは、神が定めた摂理(法則)に対する違反行為のことです。人間は霊的次元・精神的次元・肉体(物質)的次元にまたがって存在しているため、それらの3つの領域においてカルマが発生する可能性があります。「霊的次元のカルマ」とは、唯物的・利己的な考え方から生じるものです。「精神的次元のカルマ」とは、恐れ・不安・悲しみ・絶望といった精神的な不調和のことです。そして「肉体的次元のカルマ」とは、間違った食生活・運動不足・過労・毒物の摂取などのことです。

さらにこれらのカルマとは別に、前世でつくってしまった「大きなカルマ」があります大きなカルマとは、利己性の程度が強いために犯してしまった「重い摂理違反」のことで、他人にひどい苦しみを与える行為などを言います)。こうした「大きなカルマ」は次の地上人生にまで持ち越され、償いのための苦しみのプロセスが展開するようになります。なかなか治らない病気や生まれつきの障害などは、大きなカルマによって引き起こされています。

「カルマ」が存在すると、治療エネルギーを十分に取り入れることができません。治療エネルギーの取り入れ口(魂の窓)に制限が加わり、ヒーラーから注がれるエネルギーが身体に入っていかなくなります。カルマの内容は、人によってさまざまです。その種類も程度(分量)も多岐にわたり、同じカルマを持った人間は一人として存在しません。こうしたカルマの違いが、「治療エネルギーの受容性」を決定することになります。そのため同じヒーラーの治療を受けても、人によってその結果が異なることになるのです。

このように患者の受容性によって治療結果が異なることを、スピリチュアル・ヒーリングの「治療領域理論」と言います。スピリチュアル・ヒーリングの効果は、ヒーラーの内容以上に、患者サイドの条件によって大きく左右されるという理論です。

スピリット・ヒーリングにおける、さまざまな治療効果

「治療領域理論」の実際

最強のスピリチュアル・ヒーリングである「スピリット・ヒーリング」を受けても、患者の治療エネルギーの受容性によって、さまざまな治療効果が現れることになります。

最も理想的なスピリット・ヒーリングのケースは、患者のカルマが消滅していて、治療エネルギーの受容性が最大限に至っている(「魂の窓」が全開している)というものです。この場合は、ヒーラーを通じて注がれた治療エネルギーは患者のすべての構成要素(「霊」「霊の心」「霊体」「肉体」)に流れ込み、身体全体が活性化されるようになります。全身のバランスがとれ、摂理に一致した調和状態に置かれることになるのです。その結果、「生体維持機能」が健全に働くようになり、肉体の異常が正されて、奇跡的に病気が治癒することになります。

こうしたケースでは、病気がぶり返すことはありません。

「治療領域理論」の実際1

患者にカルマ(霊的カルマ)がある場合には、ヒーラーからの治療エネルギーは患者の「霊」には届かず、身体の頂上部を活性化させることはできません。このケースでは、「霊の心」と「霊体」と「肉体」には治療エネルギーがもたらされて活性化するため、それぞれの領域において治癒が発生することになります。

ただし、このケースでは「霊」からの霊的エネルギーのステップダウンが不十分なため、各領域の活性度も完璧ではなく、部分的治癒にとどまります。「霊の心」と「霊体」と「肉体」には何らかの治癒が生じることになり、その状態を外部から見ると奇跡的治癒が起きたかのように映りますが、頂上部からはエネルギーが流れてこないため、いずれ病気がぶり返すようになります。

「治療領域理論」の実際2

患者にカルマ(精神的カルマ)がある場合には、ヒーラーからの治療エネルギーは患者の「霊」と「霊の心」には届かず、それらの領域を活性化させることはできません。このケースでは、「霊体」と「肉体」には治療エネルギーがもたらされて活性化し、部分的治癒が生じます。その状態を外部から見ると奇跡的治癒が起きたかのように映ることもありますが、上位の構成要素である「霊」と「霊の心」は活性化していないため、時間とともに病気がぶり返すようになります。

「治療領域理論」の実際3

患者にカルマ(肉体的カルマ)がある場合には、ヒーラーからの治療エネルギーは患者の「霊」と「霊の心」と「霊体」には届かず、「肉体」にも十分に取り入れることはできません。しかしこのケースでも、患者の肉体のエネルギーレベルが上昇し活性化することがあります。その結果、一時的に肉体の異常が消え去るようなことが起こります。すると本人は奇跡的に病気が好転したかのように思いますが、このケースでは「霊体」のエネルギーは肉体に補給されず、肉体がわずかに活性化したにすぎないため、ほどなく数時間~数日)して病気がぶり返すようになります。

「治療領域理論」の実際4