1)手かざし療法・手当て療法

最も一般的でオーソドックスなスピリチュアル・ヒーリング

最もポピュラーなスピリチュアル・ヒーリング

スピリチュアル・ヒーリングと言うと、おそらく多くの人は、ヒーラーが病人に手をかざしたり、患部に手を当てて治療している様子を思い浮かべるのではないでしょうか。中国で始まった“気功”や日本発祥の“霊気(レイキ)”、日本の新興宗教(救世教・真光教)で行われてきた“手かざし”、アメリカ人D・クリーガーによって考案された“セラピューティックタッチ”などが、この種のヒーリングとしてよく知られています。

スピリチュアル・ヒーリングの中では、この「手かざし」や「手当て」というシンプルな方法が多く用いられています。その意味で、手かざし療法・手当て療法は、最もオーソドックスなスピリチュアル・ヒーリングのスタイルと言えます。スピリチュアリズムにおいて展開しているスピリチュアル・ヒーリング(スピリット・ヒーリング)でも、この手かざしや手当てが用いられています。

古い時代の有名な「手当て療法」としては、イエスによる“奇跡治療”を挙げることができます。聖書には、イエスが患者の体に触れることで病気が癒されたという記述がしばしば登場しますが、これはイエスが「手当て療法」を行っていたことを示しています。また、中世ヨーロッパ特に英国とフランス)で800年間にわたって行われてきた国王による“ロイヤル・タッチ”も、この手当て療法の代表格と言えます。

3種類の手かざし療法・手当て療法

手かざし・手当ては、ヒーラーが患者に“治療エネルギー”を与えるための方法です。治療エネルギーを患者に与えるという目的からすれば、「手かざし」でも「手当て」でも、それほど違いはありません。「手かざし」ではヒーラーは患者に直接タッチしないのに対し、「手当て」では患者の身体にタッチするという違いがありますが、肝心な治療エネルギーを与えるという点から見れば大差はありません。

その一方、「手かざし療法・手当て療法」では、治療エネルギーの内容において天と地ほどの違いが生じます。治療エネルギーには、霊界の霊たちがつくり出す「スピリット・エネルギー」と、地上のヒーラーの霊体に存在する「サイキック・エネルギー」と、地上のヒーラーの肉体に存在する「マグネティック・エネルギー(生体磁気)」の3種類があることを説明してきました。スピリット・エネルギーを用いる治療が「スピリット・ヒーリング」、サイキック・エネルギーを用いる治療が「サイキック・ヒーリング」、マグネティック・エネルギーを用いる治療が「マグネティック・ヒーリング」です。

「手かざし療法・手当て療法」は、用いられる治療エネルギーの違いによって「スピリット・ヒーリング」と「サイキック・ヒーリング」と「マグネティック・ヒーリング」に分けられることになります。治療風景はどれも同じように見えますが、内容的には全く異なる治療が行われているのです。

スピリチュアリズムにおける手かざし療法・手当て療法では、霊界の霊たちがつくり出す治療エネルギー(スピリット・エネルギー)が用いられるため、多くの場合「スピリット・ヒーリング」になっています。一方、世間で広く見られる手かざし療法・手当て療法では、サイキック・エネルギーやマグネティック・エネルギーが用いられており、「サイキック・ヒーリング」や「マグネティック・ヒーリング」になっています。

手かざし療法・手当て療法はどれも同じように見えますが、それぞれのヒーラーによって用いられる治療エネルギーが全く異なります。そしてそれにともない治療効果も違ってきます。

「オーラ療法」は、手かざし療法と同じ

さまざまな手かざし療法・手当て療法について見てきましたが、これらは形式は少々異なっていても、いずれも「ヒーラーを通して治療エネルギーを患者に与えることで病気を癒す」という点では共通しています。ヒーラー自身が有する生体エネルギーには「サイキック・エネルギー」と「マグネティック・エネルギー」があり、状況によってはこの2つを同時に与えることもあります。

サイキック・エネルギーもマグネティック・エネルギーも、ヒーラーの身体内をめぐっているだけでなく、ヒーラーの体外にも放射されています。それがよく言われる“オーラ”です。手かざしなど患者の身体に直接触れない治療では、オーラを投射することで治療エネルギーを患者に与えます。この意味で「オーラ療法」と呼ばれているものは、「手かざし療法」と同じと言えます。

手かざしによって、神のエネルギーを流すことはできるのか?

世の中には、「自分のヒーリングは、神から送られてくるエネルギーをストレートに用いるため治療効果が最も強力である」と豪語するヒーラー(治療師)がいます。ヒーリングにおいて神のエネルギーを直接、使用しているかのように主張するのですが、すでに述べた通り、そうした言い分は霊的事実とは一致しません。

神が造られた宇宙と霊界には“神のエネルギー”が充満しており、人間をはじめ、すべての生命体はそのエネルギーを取り入れて生存しています。しかし“治療”ということになると、神のエネルギーをそのまま“治療エネルギー”として用いることはできません。神のエネルギーは、治療エネルギーに転換されるプロセスを経て初めて、治療に用いることが可能となるのです。治療薬は、純粋な水(蒸留水)にさまざまな有効成分を加えてつくられますが、神のエネルギーはこの“蒸留水”のようなものなのです。神のエネルギーを直接“治療エネルギー”として用いるというようなことは、あり得ません。

これについては霊界の実態を知ると、より明瞭になります。幽界(霊界下層)でも、他界して間もない霊に対してスピリチュアル・ヒーリング(スピリット・ヒーリング)が行われていますが、それは神のエネルギーをそのまま与えるといった漠然としたものではありません。そこで用いられる治療エネルギーは、神のエネルギーにさまざまな霊的要素を加えるという薬を調合するようなプロセスを踏んでつくられたものなのです。

地上人が神のエネルギーをストレートに用いて治療をするというようなことは、一方的な思い込みに基づく勝手な空想にすぎません。

「サイキック・エネルギー」を与え過ぎて、へとへとになるヒーラーたち

サイキック・ヒーリングの場合、ヒーラーは自分の“生体エネルギー”を患者に与えて治療をするため、エネルギーを消耗してへとへとになってしまうことがあります。「何とか病気を治してやりたい、早く治してやりたい」と気負って無理をしたりすると、自分の生体エネルギーを一度に与え過ぎて破綻してしまいます。ヒーラーは常に“神のエネルギー”を自らの内に取り入れる努力をしていないと、治療によって生体エネルギーを使い果たし、すり切れてしまうのです。

ヒーラーや治療師には、大気中から“霊的エネルギー(神のエネルギー)”を取り入れるための瞑想や祈りが不可欠です。霊的エネルギーをしっかりと補給し、自分の健康を維持するのに必要な生体エネルギーを確保したうえで、余ったエネルギーを患者に与えるというのが「サイキック・ヒーリング」と「マグネティック・ヒーリング」の鉄則です。

実はこれはヒーラーや治療師だけでなく、病人や老人を相手にする仕事に携わっている人たち全般に当てはまることなのです。医者や看護師・介護福祉士・カウンセラーなどは、相手(患者)と接する際に、自分の“生体エネルギー”を無意識のうちに与えることになります。特に霊的に敏感な体質を持っている人の場合には、生体エネルギーを相手に奪われるような状況に置かれ、自分自身の生命力が急速に枯渇することになってしまいます。医者や看護師・カウンセラーといった人たちは絶えず、精気を失うような状態にあるのです。相手が精神病患者や衰弱した老人などの場合には、より多くの生体エネルギーを消耗することになります。まさに“身を削って相手を癒す”ことになっています。医者や看護師やカウンセラーは、ある意味でサイキック・ヒーラーと言えるのです。

「聖水ヒーリング」とは

水に治療エネルギーを吹き込んで行うヒーリング

手かざしや手当てという方法は、どこまでも“治療エネルギー”を患者に与えるための手段にすぎません。それと同じようにヒーラーは、水に手をかざすなどして“治療エネルギー”を吹き込んだ“聖水”をつくり、それを患者に飲ませたり注ぐことによって病気治療を行うことができます。これが「聖水ヒーリング」です。

治療に用いられる“聖水”は、治療エネルギーを吹き込むヒーラーの内容によって大きな違いが生じます。「スピリット・エネルギー」を吹き込むことができるヒーラーがいる一方で、「サイキック・エネルギー」や「マグネティック・エネルギー」しか吹き込むことができないヒーラーもいます。見た目には同じ水ですが、ヒーラーによってつくり出される“聖水”の内容は全く異なったものになります。