ヒーラーの声

今年は戌年、タロウは面白かった!

No.073

2018年は戌年、シルバーバーチは、動物の中で“犬”が最も人間から愛され、霊的進化をしてきたという驚くような霊的事実を明らかにしています。すべての動物の中で、最も進化しているのが犬なのです。

犬の進化は、人間の愛情によって促されました。犬は動物の中で、特別に人間と心を通じ合える動物です。犬の反応を見ていると、まるで人間のような“霊的心”を持っているのではないかと思えることがあります。飼い主にとって犬は、まさに家族の一員です。

私たちスピリチュアリズム普及会のメンバーも皆、犬が大好きです。6年ほど前まで飼っていた“タロウ”は全員のマスコットで、毎日、メンバーが代わる代わる散歩に連れていきました。食べ物は人間の残り物ばかり、冬になると戸外の犬小屋で寒さに耐え忍ぶ生活を強いられてはいましたが、それでもタロウは幸福な人生(?)を送ったに違いありません。

たまにドッグフードをあげようものなら、見たこともないご馳走に狂喜乱舞しました。今でも皆が、タロウを懐かしんでいます。

ああ、タロウが生きていたら面白かったのに。タロウをからかって憂さ晴らしできたのに。今も裏の台所の入り口には、タロウの小屋がそのまま置いてあります。タロウの名札もそのまま、それが結構、防犯に役立っているようです。最近では裏庭にイノシシが出没して、辺りを荒らしています。タロウがいたなら大声で吠え、イノシシを追っ払ったことでしょう。

タロウが生きていたとき何度か、「犬とはどういうものか、犬の常識とは何なのか」を教えましたが、努力は何ひとつ実を結びませんでした。結局、タロウはタロウ、どこまでいってもタロウでした。やんちゃな“自己中犬”で、立派な犬にはなれませんでした。

ああ、そろそろ犬を飼いたいな。でも、ここで飼うのはかわいそうかも。美味しいものはもらえず、夏になれば蚊の集中攻撃を受け、雷が鳴って怖がっても頭をなぜてもらうだけで家の中には入れてもらえず。いいことは、毎日、何度も散歩や山歩きに連れていってもらえることだけ。でも皆から、どこにも負けないくらい多くの愛情を受けられるのは間違いありません。

タロウが死んでから、新しい犬を探そうとしたことがありました。保健所に行って探そうと思ったこともありましたが、普及会での不幸な犬の運命を考えるとつい尻込みし、そのまま飼わずにきてしまいました。

去年、飼い猫の数が、飼い犬の数を初めて上回ったことが報じられました。最近では小型犬が増え、多くの人が家の中で犬を飼っています。猫の数が犬を上回ったのは、そうした傾向の延長と言えるでしょうか。

私たちはネコを飼うつもりはありません。かつて旧宅にいたときには捨て犬や捨て猫が住みつき、いつも動物たちに囲まれて生活していましたが、今では仕事が多くなり、とても手が回らなくなりました。

そういえば少し前に新聞で、曽野綾子さんが言っていた言葉を思い出しました。彼女いわく、「私は、犬に洋服を着せているような人間とは友達になりたくない」と。さすが名言、その通りかもしれません。洋服を着せられる犬は、人間の勝手な好みの犠牲者かも。雨の日に合羽を着て散歩する犬を見るのはユーモアがあって面白いけれど、本当は、犬は雨に濡れているのが自然で気持ちがいいのかもしれません。

もしタロウに洋服を着せたら、30秒ともたないでしょう。うるさがって暴れまわり、手に負えないはずです。

(杉野)