ヒーラーの声

“あなたは、何のために自分の人生を用いますか?”

No.036

NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」を見て、心に残った言葉があります。それは吉田松陰が塾生に向かって問いかけた「君は何のために自分の人生を用いますか?」という言葉です。

松陰が私塾を開いていた当時、日本には西欧列強による植民地化の危機が迫っていました。そうした状況の中で松陰は、「君は何のために自分の人生を用いますか?」と塾生たち一人一人に問いかけました。言いかえれば、「どんな大義のために人生を捧げますか?」「何のために命を捧げますか?」と聞いたのです。自分の中にしっかりとした大義・使命感を持っていなければ、この問いに答えることはできなかったでしょう。松陰は、「日本を守るという大義のために人生を捧げてほしい。それを人生の目標にしてほしい」との強い願いを込めて、塾生たちに問いかけたのだと思います。

私は、松陰の言葉を自分にも問いかけてみました。「何のために自分の人生を用いるのか?」――この問いに対して私は、即座に「スピリチュアリズム普及のために人生を捧げたい。一人でも多くの人が真理を知り、本物の幸せを手にするためにこの身を捧げたい」と答えを出すことができました。

私は、スピリチュアリズムと出会い信仰を始めて30年以上経ちますが、信仰当初からこのように思えたわけではありません。霊的真理を学び、ひたすら真理に自分をそわせる努力と利他愛の実践を積み重ねていく中で、徐々に自分の心が変化していきました。自己犠牲の喜びを実感できるようになったことで、真理普及のために人生を捧げなければならないという義務感ではなく、心の底から「人々の幸せのために人生を捧げたい」と純粋に思えるようになったのです。そして今では、「スピリチュアリズム普及のために残りの人生すべてを捧げ尽くしたい!」との思いを、よりいっそう強くしています。

松陰たちは「日本を守る」という大義のために人生を捧げましたが、それはあくまでも“日本のため”という限定的で、この世限りの大義のために人生を捧げたということです。それに比べ私たちスピリチュアリストは、日本という一つの国だけでなく、全世界のため、さらにこれから生まれてくる子孫も含め“人類全体の救い”のために人生を捧げようとしています。救いの次元もこの世限りのものではなく、“永遠の救い”をもたらすために人生を懸けています。最高の大義のために、自分の時間もエネルギーも、そしてお金も人生もすべて捧げることができる特権をスピリチュアリストは与えられているのです。

私がスピリチュアリズムのために働けるのは、この先20年くらいかもしれません。20年という月日は、あっと言う間に過ぎてしまいます。そう考えると焦るような気持ちになりますが、常に霊界から導かれ、霊界の人々と共に歩んでいることを思い起こし、精いっぱい努力していきたいと考えています。そして霊界の人々に道具としてもっと使ってもらえるように、できる限り力を付けていこうと決心しています。

地球人類の救いという最高の大義のために一身を捧げられることは、何にもまさる幸せです。この大きな恵みに感謝し、残りの人生すべてをスピリチュアリズム普及のために捧げ、全力で走り抜いて行きたいと思っています。

(杉野)